ついに LinuxMint21 「Vanessa」ベータ版が利用可能になりました

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 LinuxMint21 「Vanessa」ベータ版がリリースされました

2022年7月14日、ついに LinuxMint21 のベータ版が正式にリリースされました。
コードネーム「Vanessa」と名付けられた、Linux Mintの36番目のリリースになります。
LinuxMint21は、3つのデスクトップ環境で提供され、いくつかの重要な仕様変更、主要なネイティブアプリ(Xapps)の再構築、バグの修正などが施されています。

この記事では

この記事では、Linux Mint 21「Vanessa」ベータ版について紹介するとともに、ダウンロードと使用するための方法について説明します。

 LinuxMint21 「Vanessa」の新機能

LinuxMint21

Linuxカーネルの変更

Linux Mint 21は、2022年4月にリリースされたUbuntu22.04LTS「JammyJellyfish」にもとづいて構成されます。

Ubuntu22.04LTSには、最新のLinuxKernel5.15が採用されているため、LinuxMint21もこの最新カーネルがベースになります。

これにより、CPU、GPU、ストレージなど、新しいハードウェアのサポートとアップデートが実現されます。
また、新しいNTFSドライバーのサポートと、Apple M1 Socのサポートが提供されるのは重要な変更といえるでしょう。

さらに、このLinuxKernel5.15では、ファイル共有用のSMBドライバーがカーネル内でサポートされることにより、動作の高速化が期待できます。

デバイスマネージャー、インストールアプリの変更

LinuxMint21では、デバイスマネージャー、プリインストールアプリの刷新が行われます。

Bluetoothマネージャー

重要な変更な一つは、Bluetoothマネージャーが「Blueberry」から「Blueman」に変更されることです。
変更の主な理由は、Blueberryがgnome-bluetoothに基づいており、GNOME以外のデスクトップでは問題が発生する可能性があるためです。

「Blueman」は「Bluez」に基づいており、特定のデスクトップだけでなく、ほとんどの環境ですぐに使用できます。

また、Blueberryにはない追加機能も搭載されています。

アプリの刷新

サムネイル

ファイルマネージャのサムネイルの機能が強化されており、生産性の向上に効果があると考えられます。
新しいアプリである「xapp-thumbnailers」は、次に挙げるファイルタイプのサムネイルプレビューを表示します。

・ePub
・アルバムアート付きMP3
・RAW画像
・WebP
・AppImage

この中では、WebPのサポートは見逃せないところです。
WebP画像は、デフォルトの画像ビューアでも閲覧できるようになっています。

付箋アプリ

付箋アプリの機能が強化されています。
メモの複製、色の選択、トレイアイコンの使い勝手の向上、などの更新がなされています。

タスクバーのトレイアイコン

タスクバーに小さなトレイアイコンが表示されるようになります。

このトレイアイコンは、バックグラウンドで実行される、自動化されたタスクの動作・進捗などを表示します。
(例えば、スケジュール化されたバックアップなど)

今までは、動作しているのかを確かめるには、いくつかの手順が必要であったので、実用性の高い新機能といえるでしょう。

deb版のFirefox102

LinuxMintには代々Firefoxがインストールされています。
派生元であるUbuntuが、バージョン22.04LTSから、FirefoxをSnap版に移行しました。
残念ながら、Snap版のFirefoxでは軽微な不具合がいろいろと報告されています。
Snap版の不具合については、株式会社技術評論社のこちらの記事に詳しいです。

Firefoxを含むsnapパッケージとの付き合い方
https://gihyo.jp/admin/serial/01/ubuntu-recipe/0714

Linux MintもUbuntuに準じて、Snapパッケージに移行すると心配していましたが、LinuxMint開発チームは独自のdebバージョンを搭載することに決めたようです。

これにより、Ubuntuで起きているような軽微な(といっても使用上ストレスのたまる)不具合に見舞われることはなくなるでしょう。

Timeshiftの機能強化

システムバックアップツールとして、利用価値の高い「Timeshift」は、Xappとして搭載され、機能の維持・強化がなされています。

 LinuxMint21 デスクトップ環境の更新について

次に、デスクトップ環境の更新についてポイントを見てみましょう。

LinuxMintの象徴的なデスクトップであるCinnamonは、バージョン5.4が搭載されています。
Cinnamon5.4は2022年6月にリリースされ、大幅な改善が加えられています。
LinuxMint21を利用することで、Cinnamonデスクトップの最新版を使うことができます。

Cinnamon以外の、Xfce4.16とMATE1.24は、現行のLinuxMint20.04と同じバージョンになるようです。
これら2つのデスクトップ環境は、1年以上メジャーリリースがされておらず、開発計画も不明確な状況となっています。

詳細については、リリースノートをご覧ください。

Cinnamonリリースノート : https://www.linuxmint.com/rel_vanessa_cinnamon.php
Xfceリリースノート : https://www.linuxmint.com/rel_vanessa_xfce.php
MATEリリースノート : https://www.linuxmint.com/rel_vanessa_mate.php

 LinuxMint21 のダウンロードとインストール

ブログ収益

こちらのリンクから、ダウンロードが可能です。
あくまでもベータ版のため、予期せぬ不具合が発生することがありますので、テストの際は自己責任でお願いいたします。

LinuxMint20.04からのアップグレードも可能ですが、それは正式版がリリースされた後にするべきでしょう。

トレントダウンロードリンク

Cinnamon : https://linuxmint.com/torrents/linuxmint-21-cinnamon-64bit-beta.iso.torrent
mate : https://linuxmint.com/torrents/linuxmint-21-mate-64bit-beta.iso.torrent
Xfce : https://linuxmint.com/torrents/linuxmint-21-xfce-64bit-beta.iso.torrent

このベータ版は、正式版がリリースがされたときにアップグレードできる仕組みになっています。

まとめ

DELL G15

今までの例からの仮定になりますが、正式版のリリースはベータ版のリリースから1か月以内に行われると予想されます。
ただし、ベータ版で大きな不具合が見つかった場合などは、その限りではありません。

ユーザーフレンドリーで、安定したディストリビューションであるLinuxMintの、待望のニューリリースです。

LinuxMint21 を試すなら中古PCもおすすめ

もしあなたがLinuxMint21をテストすることを迷っているなら、ご自宅の古くなったパソコンを活用したり、テスト用に少し古いパソコンを安く買って試してみるのもよいでしょう。

おおまかな目安ですが、LinuxMintを快適に動作させるなら、Intel製CPUであれば、第6世代以降のcore i3、第4世代以降のcore i5が積まれていて、4GBのメモリ、60GB程度のSSDがツンであれば十分です。

このグレードのパソコンは、中古通販サイトを覗いてみると、ノートパソコンの安いものでは1万円台、高くても4万円程度で購入できるものが多くあります。
(デスクトップはもう少し幅があるようです)

店舗に行くのが面倒なあなたには、通販サイトがおすすめです。
各機種のスペック、細かな特徴まで掲載されているので、実機を見なくても安心して購入することができます。
最後に僕のおすすめの通販サイトのリンクを2つ貼っておきます。

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