パソコンが古くなって、買い替えを検討しているけど、もう少し使い続ける方法はないの?
無料で使える Linux というOSがあるらしいけどよく分からない
Windowsと Linux は何が違うの?
Linuxを使うメリット・デメリットを知りたい
Linuxにもたくさんの種類があるみたいだけど何が違うの?
LinuxでもWindowsと同じソフトが使える?
Linuxは古いパソコン用なの?
この記事を読むとわかること・・・
この記事では、無料で使えるOSである、Linuxについて紹介します。
まったくLinuxを知らない人向けに、簡略化して概要とメリット・デメリットを説明します。
特にパソコンが古くなって、買い替えを検討している人、使わなくなったパソコンがある人にとっては、Linuxを利用することで得られるメリットがたくさんあります。
Linuxでも、WindowsやMacと同じような作業が、コストがかからずにできることを紹介します。
古くて遅いパソコンを蘇らせる方法
パソコンの寿命は3年から5年だと書いている雑誌やメディアがあります。
これはほとんど嘘です。
ユーザーの購買意欲を煽り、買い替えを促進するためのプロパガンダのようなものです。
パソコンは丁寧に使えば10年以上使い続けることができます。
「ほとんど」というのは、最新の性能で使い続けられることを「寿命」というなら3〜5年というのも嘘ではないかな、と思うからです。
パソコンの性能は、購入時をピークにして、時代の流れからは徐々に遅れてしまうのはしょうがないところです。
特にWindowsは、アップデートを繰り返したり、長い期間使っていくことで、動作スピードが遅くなったと思うことがあります。
また、新しく発売されるソフトは、その時の最新のパソコンの性能に合わせて作られる傾向があるので、古いパソコンでは動作が遅い、もしくは動かないということもでてきます。
こんなことがあると「そろそろ買い替えかな?」と考えてしまいますよね。
あなたがWindowsの信奉者なら、素直に最新のパソコンに買い換て、古くなったパソコンは、中古買取店や、リサイクルショップなどに売ってしまうのもよいでしょう。
でも、動作が遅く感じるようになったことが、パソコンの寿命なのでしょうか。
もしかするとHDDやSSDが傷んでいるのかもしれませんし、OSの問題なのかもしれません。
僕なら、ストレージ以外のハードウェアに問題がないのなら、新品のSSDを用意してOSをクリーンインストールしてみます。
Windowsを入れてみて、やはり動作が遅くて実用に耐えられないならば、Linuxを入れてみます。
Linuxは総じて、Windowsよりも軽量で、動作が軽いものが多く、ある程度古いパソコンでも快適に動作させることができます。
もし、Linuxでも動作が遅くて使い物にならないなら、そのパソコンは今の時代には対応できない、という判断をします。
Linux はどんなOS?
LinuxとはどんなOSなのでしょうか。
オペレーティングシステムとして広く知られたWindowsやMacOSは、マイクロソフト、アップルというメーカーが商用に開発したOSです。
それに対しLinuxは、オープンソースで開発されており、誰でも無料で使うことができます。
「オープンソース」とは、ソフトウェアのソースコードが無償で公開されていて、誰でも自由に使用、複製、改良、再配布できるようになっているソフトのことです。
Linuxは、企業が利益のために開発しているのではないので、宣伝や普及活動はされておらず、そのため、その存在はあまり知られていません。
ですが、例えば、世界の多くの車メーカーがオンボードOSにLinuxを採用しているなど、表には現れないところでLinuxOSは多く使用されています。
また、よくいわれることですが、Linuxはサーバー用途で多く使われています。
大規模で、安定した動作が求められる環境にも適したOSであるといえます。
そして、僕らのような世界中のLinuxを愛する一般ユーザーによって、デスクトップ環境として使用されています。
LinuxOSには、たくさんの種類があります。
この種類の多さは、Linuxの素晴らしい長所の一つですが、あまり詳しくない人には分かりにくさの原因にもなっています。
Windowsであれば基本的にはWindows11やWindows10のように、世代ごとに一つのOSが存在し、MacOSも然りです。
それに対してLinuxは、〇〇Linuxや、Ubuntuなどたくさんの種類が同時に存在し、開発が続いています。
これは、そもそもLinuxというのが、OSの中核にあたる「カーネル」と呼ばれるソフトウェアを指す名称であるためです。
OSは「カーネル」だけでは動作しません。
カーネルに加えて、周辺システムや、ファイルシステム、デスクトップ環境など、たくさんのソフトウェアが必要になります。
Linuxカーネルを中核にして、そこに用途や動作環境に合わせた周辺ソフトを組み合わせたパッケージが、一つ一つのLinuxOSと呼ばれるものなのです。
そのためLinuxOSには、最先端の機能を詰め込んだ重量級のLinuxから、低スペックのパソコンでも快適に動作するLinux、サーバー機能に特化したCUIベースのLinuxまで、非常に多くのOSが存在します。
GUIとCUI
Linuxに限らずOSの話では、GUIとCUIという言葉がでてきます。
WindowsやMacではあまり使うことがありませんが、Linuxでは目にする機会が結構あります。
GUIは、グラフィカル・ユーザー・インターフェースの略で、WindowsやMacのような、画面上のファイルアイコンなどを、マウスなどのデバイスを使用して操作するOSのことです。
対してCUIは、キャラクター・ユーザー・インターフェースの略になります。
OSの操作は、キーボードからコマンド(命令)を入力することで行われます。
真っ黒な画面上で、「>」や「$」のような記号に続いてコマンドを打ち込むシーンを、テレビなどで見たことがある人もあるのではないでしょうか。
Windowsのコマンドプロンプトがイメージとしては近いものになります。
Linuxには、GUI、CUIのどちらのOSもありますが、初心者の方はWindowsやMacの操作に近い、GUIのLinuxを選ぶのがよいでしょう。
Linux ディストリビューション
さきほど、Linuxとは「OSの中心となるプログラムであるカーネルのことを指す」と述べました。
また、カーネルを中核に、OSとして動作させるために必要なプログラムを組み合わせた集合体が、一つのLinuxOSになると書きました。
このLinuxカーネルを中心したプログラムの集合体と、ブラウザやエディタなど様々なソフトウェアをセットにして、配布したり、インストールできるようにしたものを「ディストリビューション」と呼びます。
たくさんあるLinuxディストリビューションですが、これらを分類するときは、ディレクトリの構成や、パッケージ管理システムの違いなど、共通で使用されるシステムごとに分類をします。
大きな系統としては、debian系、Red Hat系、Arch Linux系、gentoo Linux系、slackware系などに分けられます。
ほとんどのディストリビューションが、これらの系統のどこかに分類されます。
このdebian系から始まる並び順は、僕が考える初心者にやさしいLinuxの順番になっています。
次の記事では、Linux初心者に使いやすいディストリビューションについて紹介していますので、よかったら読んでみてください。
Linux を使うメリット・デメリット
ここまでは、LinuxとはどのようなOSなのか、WindowsやMacとは何が違うのかについて紹介してきました。
得体のしれない怪しいOSではないことはお分かりいただけたと思います。
それでは次に、Linuxを使用するメリットとデメリットについて紹介します。
あなたにとってメリットがデメリットを上回るなら、あなたのパソコンへLinuxを導入することを考えてみてもよいのではないでしょうか。
メリット
無料で使うことができる
先にも述べたとおり、LinuxOSはオープンソースで開発されており、RHEL(Red Hat Enterprise Linux)を除き、無償で利用することができます。
Linuxに興味をもち、「ちょっと試しに使ってみたいな」という場合でもハードルが低く、使っていないSSDやハードディスクがあれば、簡単にインストールができます。
また、インストールを行わずに動作させたいなら、USBドライブのようなメディアからOSを起動させてテスト使用をすることができます。
スペックの低い古いパソコンでも動作する
Linuxディストリビューションはたくさんの種類があり、最先端の技術が詰め込まれたリッチなものから、逆に10年前のパソコンでも動作するシンプルで軽量なディストリビューションまであるため、あなたのパソコンのスペックに合わせて選ぶことができます。
例えば、Puppy Linuxというディストリビューションの動作条件は、CPU:Pentium 166MMX、RAM:120MBとなっています。
Pentium 166MMXというCPUはシングルコアで、動作周波数は166MHzです。
現在販売されている、6コアや8コアで3GHz以上で駆動するCPUに比べるといかに低スペックであるかが分かります。
そのPentium 166MMXで、GUI環境のOSが動作してしまうというのは、驚くべきことです。
システム自体の安定性が高い
Linuxはサーバーとして利用されることも多く、その動作の安定性は評価が高いです。
Linuxはカーネルに、目的の動作に必要な機能を組み合わせるため、シンプルに機能させたいときには最低限の構成のディストリビューションを選ぶことができます。
反対にWindowsやMacOSは、インストールの段階で多くの機能が詰め込まれた状態になっています。
機能が多くなれば動作が重くなり、時にはコンフリクトが起きて不安定になることもあります。
Linuxは目的に合わせてディストリビューションを選ぶことができるため、システム構成の自由度が高く、動作安定性を重視した構成を選択することもできます。
周辺機器の導入が簡単
Linuxは周辺機器の認識機能が高く、ほとんどの機器は接続するだけで使用できるようになります。
Windowsのようにドライバをインストールしたり、適合を確認するなどの作業は基本的に必要ありません。
一部のプリンタなどでは、メーカーサイトからドライバをダウンロードすることが必要なものもありますが、これは例外的だといえます。
必要なソフトはほとんど揃っている
Linuxには、日常使用から専門的な作業まで、およそパソコンで行う作業で必要になるソフトウェアがほとんど揃っています。
そして、その多くが無料で利用することができます。
例えば、インターネット、メール、SNS、サーバー、エディタ、統合型オフィスソフト、画像編集、動画編集、音楽再生、DTM、プログラミング、各種アクセサリーなど、あなたの好みで選んで使用することができます。
WindowsやMacでできることはLinuxでもできます。
ただし、Adobeなど特定のメーカーはLinuxでのソフトウェア開発を行う意思がないといわれており、それらのメーカーのソフトは使うことができません。
こちらの記事では、WindowsからLinuxに乗り換えた場合に対応するソフトウェアについて紹介しています。
セキュリテイの信頼性が高い
Linuxは、Windowsなどと比較してセキュリティの信頼性が高いといわれます。
これは、Linuxを標的にしたウイルスなどが少ないことに起因しています。
Windowsに比べ、Linuxの利用者は少なく、攻撃者からみれば攻撃の対価である「うまみ」が少ないことも理由の一つといわれます。
もちろんLinuxディストリビューションにも、ファイヤーウォールのようなセキュリティ対策が装備されているものも多く、一般ユーザーが使用する上でのリスクは少ないといえるでしょう。
インストールをしなくても使用できる
Linuxディストリビューションを選んでいる段階では、ちょっと使ってみて気に入ったものをインストールしたい、と思うことがあります。
そんな時には、ディストリビューションをSSDなどにインストールするのではなく、「ライブメディア」を作成することで、メディアからOSを起動して「お試し使用」をすることができます。
これは、多くのディストリビューションで採用されています。
やり方は、まずディストリビューションのISOイメージをダウンロードします。
次に、USBメモリやDVDディスクなどに、ISOイメージを「起動ディスク」として書き込みます。
そして、起動時に先に作成したメディアを起動ディスクとして指定することで、メディアからディストリビューションが立ち上がります。
デスクトップのデザインや、使い勝手などをチェックしてみて、気に入ったディストリビューションを正式にインストールすることで、より好みに近いOSにたどり着けることでしょう。
Linux を扱えることがスキルになる
Linuxは、Windowsに比べると利用者が少ないOSといわれます。
それはOS自体が劣っているわけではなく、オープンソースであるがゆえに、シェアの向上という概念から離れたところにある、というのが一番の理由だと思います。
市販されているパソコンのプリインストールOSは、ほとんどがWindowsで、アップル製パソコンにはMacOSがインストールされています。
先に紹介したとおり、Linuxは我々の生活に近いところに結構な割合で存在しています。
Linuxを使えるようになり、もう一歩踏み込んでサーバーの構築や管理などのスキルを身につけることで、市場ニーズの高いエンジニアとしての素地を養うことができるでしょう。
デメリット
メーカーなどのサポートがない
Linuxはオープンソースで開発されているため、マイクロソフトのような絶対的なメーカーはありません。
そのため、何かOSのトラブルがあっても、メーカーサポートのようなものは受けられません。
その代わりに、Linuxはネット上のユーザーグループやコミュニティの活動が盛んで、たくさんの情報が共有されています。
また、個人がブログなどで情報を発信している場合も多く、自分で調べる意思さえあれば、大概のことは解決できます。
逆にいうと、自分で調べて解決することが嫌な人は、Linuxに向いていない人、ということもできるでしょう。
デスクトップ環境によって操作方法が違う
Linuxには、多くのディストリビューションがあり、採用されているすデスクトップ環境もいくつかの種類に分かれます。
そのため、ディストリビューションが変わると、デスクトップデザインやユーザーインターフェイスが変わります。
デスクトップ環境の違いは、例えば、全体のデザイン・操作感がMacライクであったり、Windowsライクであったり、独創的であったりという違いがあげられます。
自分が気に入った、使いやすいディストリビューションを探すのも楽しみの一つですが、慣れない操作感に戸惑うこともあるかもしれません。
用語やシステムは慣れが必要
Linuxは使われる用語やシステムが、Windowsとは異なります。
これまでWindowsを利用していて、Linuxに変更した人は、独特の用語や使い勝手の異なるシステムに戸惑うこともあると思います。
また、ディレクトリ構造など、基本的な部分もWindowsとは異なるので、ある程度の慣れは必要です。
異なることがデメリットというのは少し乱暴ですが、WindowsとMacだって用語やシステムは違いますよね。
それと同じことだと僕は考えています。
ちなみにですが、LinuxとWindowsのディレクトリ構造の違いについては、下のリンクの記事で初心者向けに紹介しています。
特定メーカーのソフトウェアは使うことができない
Adobeやマイクロソフトなど特定のメーカーは、Linuxでのソフトウェア開発を行っていません。
そのため、AdobeCCや、マイクロソフト・オフィスなどのソフトは利用できません。
しかし、Linuxには代替となるソフトがあり、無償で利用できるため、実用上で困ることはあまりないでしょう。
これは、Final Cut ProのようなソフトがMacでしか使えないことと同様です。
自分にあったディストリビューションを見つけるのに時間がかかる
冒頭から、Linuxにはたくさんの種類があると繰り返し述べてきました。
様々な設計思想、操作性の違いがあるため、あなたに合ったディストリビューションに出会うまで、時間がかかることもあるかもしれません。
Linuxは無償で利用できるため、お試しで使うことが簡単です。
最愛の人に出会えるまで、いろいろな人と交際をするように、いろいろなLinuxディストリビューションを使ってみるのも、考えようによっては楽しいのではないでしょうか。
Linux の概要と特徴のまとめ
Linuxは、オープンソースで開発されており、誰でも無料で使うことができるOSです。
LinuxOSにはたくさんの種類があります。
OSの中核であるLinuxカーネルに、用途や動作環境に合わせた周辺ソフトを組み合わせたものをディストリビューションと呼びます。
このような構造になっていることで、最先端の機能を詰め込んだディストリビューションから、低スペックのパソコンでも快適に動作するディストリビューション、サーバー機能に特化したCUIベースのディストリビューションまで、多くのLinuxOSが存在するのです。
ディストリビューションは、ディレクトリの構成や、パッケージ管理システムの違いなどで分類されます。
大きな系統としては、debian系、Red Hat系、Arch Linux系、gentoo Linux系、slackware系などに分けられます。
Linuxを使うメリットは次のとおりです。
・無料で使うことができる
・スペックの低い古いパソコンでも動作する
・システム自体の安定性が高い
・周辺機器の導入が簡単
・必要なソフトはほとんど揃っている
・セキュリテイの信頼性が高い
・インストールをしなくても使用できる
・Linuxを扱えることがスキルになる
デメリットは次のとおりです。
・メーカーなどのサポートがない
・デスクトップ環境によって操作方法が違う
・用語やシステムは慣れが必要
・特定メーカーのソフトウェアは使うことができない
・自分にあったディストリビューションを見つけるのに時間がかかる
今回は、Linuxに興味はあるけど、よく分からないという方向けに、概要やメリット・デメリットをなるべく簡略化して紹介しました。
Linuxを、なんだか得体のしれない、怪しいOSだと思っていた方が、少しでも理解をしていただけたなら本望です。
あなたがもし、古くなって使わなくなったパソコンがお手元にあるなら、試しにLinuxディストリビューションを導入してみてはいかがでしょうか。
次の記事では、初心者向けのディストリビューションについて紹介します。
ディストリビューションの分類、初心者の方がWindowsから移行しても戸惑うことが少ないディストリビューション、低スペックパソコン向けのディストリビューションを紹介します。
参考にしていただけたら幸いです。
Linuxディストリビューションを試すなら中古PCもおすすめ
Linuxにはたくさんのディストリビューションがあって、それぞれに特徴があります。
いろいろ試してみて、あなたに合ったOSが見つかると、PCを使うのも楽しくなります。
また、LinuxはWindowsに比べて動作が軽く、古いパソコンでも軽快に動作するものも多くあります。
ご自宅の古くなったパソコンを活用したり、テスト用に少し古いパソコンを安く買って試してみるのもよいでしょう。
おおまかな目安ですが、Intel製CPUであれば、第6世代以降のcore i3、第4世代以降のcore i5が積まれたパソコンであれば、Linuxディストリビューションでたくさんのことができでしょう。
このグレードのパソコンは、中古通販サイトを覗いてみると、ノートパソコンの安いものでは1万円台、高くても4万円程度で購入できるものが多くあります。
(デスクトップはもう少し幅があるようです)
店舗に行くのが面倒なあなたには、通販サイトがおすすめです。
各機種のスペック、細かな特徴まで掲載されているので、実機を見なくても安心して購入することができます。
最後に僕のおすすめの通販サイトのリンクを2つ貼っておきます。
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