USB-DAC Topping D10 のレビュー(オペアンプ交換の解説付き)

Topping D10オーディオ

デスクトップオーディオ環境

家庭をもったことを契機にして、重厚長大なオーディオシステムから、手軽に机の上に展開するデスクトップオーディオに転身し、密やかに音楽を楽しむという人も増えていると聞きます。
僕も、そんなオーディオライフを送っている一人です。
デスクトップオーディオの楽しみの一つは、その機器選びです。
比較的安価な製品が多く、あまり馴染みのなかったUSB-DAC、ハーフサイズアンプ、パソコン上のオーディオプレーヤーなど、いろいろと試しながら好みのサウンドを作っていく過程は、なかなか楽しいものです。
今回は、初めてデスクトップオーディオ用に購入したUSB-DACである、 Topping D10 を紹介します。

Toppingというメーカーについて

Toppingというメーカーは、中国のオーディオメーカーで、日本ではデジタルアンプのTP10などのヒットにより名が知られています。
現在はハーフサイズ、さらに小さいデスクトップサイズのUSB-DACやヘッドフォンアンプが主力商品となっています。

USB-DAC Topping D10 はどんなDACなのか

Topping D10は、2018年2月に発売された、ハイレゾ対応USB-DACです。
もうすでにメーカーの商品リストからは外れてしまい、後継機であるD10s、D10バランスが現行品となっています。
しかし、音質の評価、内部基板・部品の構成などは、このD10の方が優れているという意見もありますので、中古などで見かけたら手に取ってみるのも面白いと思います。

 Topping D10 の外観

D10の外観については、コンパクトなデスクトップ用オーディオ機器によくあるサイズです。
幅10.3cm、高さ3.7cm、奥行き14.6cmとコンパクトで、ディスプレイ部分にはメーカー名、モデル名等がデザインされています。
液晶表示は大きく、文字はオレンジ色で見やすいです。
スイッチ類は一つもなく、USBからの通電により電源が入り、通電がなくなると電源が落ちる仕組みです。

 Topping D10 の付属品

本体に同梱されるものは、説明書と製品紹介ガイド、USBケーブルが1本です。
説明書は、英語、中国語、日本語の記載がありますが、内容は分かりにくく操作しながら覚えた方がよいと思います。
USBケーブルは、データ転送兼電源用のUSB 2.0ケーブルです。
長さはおよそ1メートルとなります。

入出力

Topping D10

入出力は非常にシンプルです。
入力端子はUSB入力のみ。
出力端子はRCA端子と、光出力、同軸出力となります。
USB DAC対応: 44.1kHZ-384kHZ/16bit-32bit、DSD64-DSD256(Dop、Native)
光 / COAX OUT対応:44.1kHz-192kHz / 16Bit-24Bit。
デジタル出力:OPT / COAX。アナログ出力:LINE OUT

 


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 Topping D10 の電源について

eo光

電源はUSB給電なので、別途ACアダプタなどは必要ありません。
もしノイズ対策や給電の安定化、音質改善を考えるのであれば、データと電源が別になったUSBケーブルを用意し、5VのACアダプタを使用すると良いです。
僕は、この使い方をしていましたが、簡単で効果的な対策だと思います。

スペック

D10は、PCMは32bit/384kHz、DSDは256ネイティブに対応します。
チップは、USB入力にはXMOS(XU208)、DACはESS TechnologyのES9018K2M 、オペアンプは OPA2134 の組み合わせです。
オペアンプ部は、ソケット式になっており、ユーザーが交換をすることができる仕様になっています。
このDACを使用する面白さの一つは、オペアンプの交換による音の変化を比較できるところだと思います。
オーディオドライバは、当然ながらASIOとWASAPIに対応します。
ASIOドライバーは、D10のドライバに付属するため、パソコンにASIOドライバーを入れていない場合は、D10のドライバと一緒にインストールできます。
WASAPI排他モードは、ドライバのインストールなどは必要なく使用できます。



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 Topping D10 の音質

D10の音質について少し触れます。
「少し」というのは、音は個人の好みの要素が大きく、同じ機器のレビューでも正反対のことが書かれていることも多いので、あくまでも僕個人の感想として少しだけ書かせてもらいます。
何種類かのDACとの比較となりますが、一言でいうと「味付けなしの音」というイメージを抱いています。
これは、中華系のDACには共通する傾向かもしれませんが、「音楽的」な装飾はほとんどなく、ソースの情報を忠実にアナログデータに変換している印象があります。
情報量はそこそこあり、音場感や付帯的な残響などはソースのもつ情報量により大きく変わります。
過度な誇張はなく、良い録音は良い音で、古い録音は古い音で、広い音場は広く、密度感のある演奏は密度高く、ソースの情報量によって出力してくれます。
DAC自体の各周波数帯の出方はフラットですが、プレーヤーアプリの種類により低音、高音の出方が結構変わります。
簡単にまとめると、余計な味付けはせずソースに含まれる情報をアレンジなしで、ありのままアンプに送り込むタイプのDACだと思います。
DACによる味付けが薄い分、プレーヤー、再生アプリ、アンプ、スピーカーなどによる再生音への影響が大きいです。
好みは分かれると思いますが、僕は好きなタイプのDACです。

オペアンプの交換

スペックの項で、オペアンプ部がソケットになっていると触れましたが、このDACの面白さの一つは、比較的簡単にオペアンプが交換できるところです。
交換方法を紹介します。

Topping D10

前後のパネルに付いているネジを外し、上のカバーを外すと、内部基盤が見渡せるようになります。
写真の赤で四角に囲んである部分がソケット式のオペアンプ部となります。

元々付いているOPA2134PAです。
半導体を取り外すときは、専用のリムーバーを使用するべきですが、僕はいつもラジオペンチを使い、力の加減をしながら、引き抜いています。
取り外したら、交換用のオペアンプを向きに気を付けて取り付けます。
ソケット式は、非常に作業が簡単です。

交換できるオペアンプは、数百円程度のものから、数千円するものまでたくさんの種類があります。
僕はネットで、いろいろなレビューを見ながら、音場の拡がりと解像度の向上を見込んで、新日本無線の「MUSES02」というオペアンプを使ってみました。

MUSES02

Topping D10

僕には明確に差が感じられるものでしたが、人によっては微妙という方もいるので、オーディオは面白いものです。


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まとめ

実売10,000円程度と、安価な部類に入るDACですが、音質の良さと、使い勝手の良さが特徴の機械だと思います。
音質は好みもあるので一概には言えませんが、味付けの少ない、ソースに忠実な出力で、僕にとっては好感の持てるものでした。
デスクトップ再生や、家庭用のシステムであれば十分な機能と品質だと思います。
新品を手に入れるのは非常に難しいですが、中古であれば比較的入手しやすいようです。
個人的には、現行品よりもおすすめできるDACです。

 

 

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