テロップ作成は半自動化できるけど・・・
YouTubeなどの動画配信サービスの広がりで、動画編集を仕事にする人も増えています。
僕も動画編集者の端くれとして仕事をさせてもらっています。
編集そのものはPremiereProをメインにして作業しています。
編集と同じくらい労力のかかるテロップの作成は、PremiereProのキャプション機能を使うときと、 Vrew を使って作業する場合があります。
どちらにしても、半自動でフルテロップを作ることができるので非常に便利ですが、それぞれに一長一短あります。
今回は、 Vrew とPremiereProのテロップ作成機能についてメリット・デメリットを紹介します。
Vrew とはどんなソフトなの
Vrewは、ほぼテロップ作成に特化したソフトです。
「ほぼ」というのは、ザックリとしたカットや、シーンのつなぎ変えができるので、簡単な編集機能も備えていることからです。
MP4などの動画ファイルをVrewに読み込ませると、オンライン上で音声をテロップに起こしてくれます。
画面のレイアウトは左右に二分割されて、片側にテロップ原稿、片側に動画の画面となります。
この画面の配置は、中央部分をドラッグすることで大きさを変えたり、左右を入れ替えることも可能です。
生成されたテロップは、指定したフォントの大きさで画面に収まるように大まかに分割されます。
上の画像で説明すると、21、22などの数字はテロップの表示順につけられており、各表示内は上段が音声認識した言葉が分割できる単位でまとめられており、下段は実際に表示されるテロップになります。
後から、分割単位で、分けたりつなげたりカットすることもできるので、テロップ編集の自由度は高いといえます。
僕の正直な印象ですが、PremiereProのキャプション機能よりも使いやすいと思います。
画面からはみ出したりしないように、数文字を調整したいときに、発声のタイミングと同期させやすいのが、一番の使いやすいところだと思います。
また、VrewはPremiereProやFinalCutProなどの編集ソフトで使えるフォーマットに変換できます。
Vrewでテロップを作成した動画をxml形式でエクスポートして、PremiereProで編集することができます。
そのため、テロップにエフェクトをつけたり、スタイルを変えたりすることが容易にできます。
Vrewは単体での編集機能はそれほど実装されていないため、他のソフトと連携させることで、能力を発揮するソフトであるといえます。
PremiereProのキャプション機能との違い
PremiereProはご存知の通り、超メジャーな動画編集ソフトです。
MacのFinalCutProと並び、業界標準のソフトといっても過言ではないでしょう。
動画編集で求められるほぼすべての機能を備え、一線のプロからアマチュアまで広く利用されています。
PremiereProにも2021年の夏頃から、標準でキャプションを生成する機能が搭載されました。
一画面に表示する文字数などを指定して、自動でキャプションを生成してくれて、かつ文字の変換精度もそこそこ高いため、使い勝手が良いといわれています。
ですが、いくつか気になるところがあって、僕はテロップ作成は今でもVrewを使っています。
その気になる点とは、テロップの編集の自由度です。
PremiereProの機能でテロップを作ると、字幕という扱いになるため、基本的には単一のスタイルしか適用できません。
(裏技を使えば複数のスタイルを適用できます)
また、動きをつける、などのエフェクトをかけることができません。
ビジネス系の動画などで、一人の人が話をするような素材であれば、使い勝手の良い機能だと思いますが、複数話者がいてそれぞれに文字のスタイルをつけたい場合や、エンタメ系の動きの多い動画では使いにくい機能であると思います。
Vrewでは、生成されたテロップはエッセンシャルグラフィックとして編集できるため、自由度の高いテロップを作ることができます。
これが、僕がVrewを使ってテロップを作る理由です。
PremiereProのキャプション生成機能が、もう少し柔軟になればいいのにといつも思っています。
Vrew の優れているところ
テロップ作成の仕事でVrewを使ってみて感じた、優れた点を紹介します。
操作性が良い
Vrewは、全体的に操作がシンプルです。
生成されたテロップを、カットや結合、文字の打ち替え、表示開始位置調整、画面表示の確認などが、直感的でシンプルな操作でできるため、作業中に操作を迷うことがない、というのがもっとも優れた点だと思います。
そのため、変換された文字と音声を聞き比べて、適切な言葉を選ぶ作業に没頭できます。
機械的に生成されたテロップに誤字があるのはしかたないものの、発話のタイミングや、全体的な言葉の流れは問題の無いレベルで変換してくれるため、一からテロップを入力するよりは大幅な時間短縮になります。
動作が軽快
PremiereProなどの本格的な編集ソフトに比べ、機能が少ないためとても軽快に動作します。
これは低スペックのパソコンでも動作することを示しています。
例えば、複数人で動画編集作業を行う場合、負荷の高い編集作業はメインマシンで行い、テロップ作成を能力の落ちるサブマシンで行うことができるため、作業効率を改善することができます。
Linux OS でも使用することができる
VrewはWindows、Mac、のほか、Linux OSでも動作します。
ubuntuやCensOS、Arch Linuxなど主要なOSはサポートされているようです。
LinuxはOS自体、WindowsやMacと比べて軽量のため、スペックの低いパソコンでも快適に動作することが特徴ですので、Vrewの軽快さと合わせると、サブマシンでのテロップ作成も現実的になってきます。
Vrew の残念なところ
テロップ作成の効率化という視点から、もうちょっと改善してほしい点をあげてみます。
変換精度
動画を文字起こしする場合の変換精度は、話す人の滑舌や声の大きさで結構変わってきます。
アナウンサーのような話し方の場合は、ほぼ完ぺきに言葉を拾ってくれますが、年配の方や、ガラガラ声、早口などの場合は、認識できない場合があります。
また、同音異義語は難しいようで、手作業で修正が必要になることが結構あります。
僕の印象になりますが、変換精度についてはPremiereProの方が高いように思います。
フレーム調整の幅
Vrewは、あくまでも音声をもとにして文字起こしとフレーム分割を行っているため、フレームを細かく調整することはできません。
そのため、テロップの表示開始位置や終了位置を、任意で細かく調整することはできません。
「あと1フレーム前から表示させたい」とか「2フレームだけ場面転換にかぶっている」などの場合には、Premiere Proなどの編集ソフトを使って調整することが必要です。
他の編集ソフトで調整が必要になるのは、例えば、音楽が流れていて、音楽が小さくなって、場面転換して声が入るという場合などで、ほんの少しフライング気味にテロップが表示されることがあります。
また、声を出す前の息を吸い込む音に反応してテロップがスタートしている場合があったり、微妙なところですが気になる人はいるかもしれません。
とはいえ、発声とテロップの表示はジャストのタイミングで揃っているので、あまり問題になることは無いかと思います。
Vrew は利用価値の高いソフト
Vrewは編集済み動画にテロップをつけていく作業において、非常に使いやすいソフトです。
必要な環境設定を行うことで、画面におおよそ何文字表示させるかが決められることや、発話のタイミングに合わせてテロップ生成をしてくれるため、手作業で入力するよりも大幅に労力を減らすことができます。
変換精度などは改善の余地もあるように感じますが、トータルでは利用価値の高いソフトだと思います。
Premiere Proのキャプション機能は、変換精度は高いもののテロップの加工の自由度が低いことが致命的です。
また、細かな調整が可能である半面、一つ一つの修正に手数がかかることも事実としてあります。
僕は、今の段階ではテロップ作成に特化した作業にはVrewを使っています。
まだ使ったことがない、という方には、無料で使用できる優れたソフトとしておすすめしたいと思います。
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